VS熊!?@蛇石キャンプ場
初日のブログはもう更新して大変だったってことはお伝えしたんだけど、あんなのはハナクソみたいなもので、本当の恐怖との闘いは夜中だった。
※無事ブログが更新されてる=生きてるなので、安心してお読みください。
あの夜は21時すぎにブログを書き終えて眠りについた。
一度は眠りについたものの、0時を過ぎたあたりで目が覚めてしまった。
くまちゃんへの警戒心と寒さが原因である。
夏に比べて日が短くなったので出来るだけ朝は早く出発したいと思い、十分に寝ておきたかった。
しばらくぼーっとしてるとまた寝れそうになる。
しかしその時、ちょっと気になる音がした。
どう表現すればよいだろうか。
薄いプラスチック(弁当の蓋とか)が硬い地面に落ちた時の音。
こんな説明では
は?なに言ってんのこいつ?
弁当の蓋にビビってんのマジワロタww
とか思われるかもしれないが、
考えてみてくれ。
山の中のキャンプ場に一人で居て、変な音がしたら怖いだろ。
こんなとこに弁当の蓋落ちてきたらクッソ怖えーだろが。
まあとりあえずは注意をひく音がしたんだ。
寝た状態からの位置はイメージだと、左斜め下20m。
くま注意の看板があるだけに無視はできなかった。
けど、数分後にはやっぱり気のせいだろうなと思ってまた寝ようとした。
しかし、またあの音がした。
(奇妙って書いたらもうちょっと怖くなるかな。プラスチックの蓋じゃさすがにな。よし奇妙にしよう。)
しかし、またあの奇妙な音がした。
今度はやや右斜め上10m地点。
炊事場があるところだ。
俺は一気に上半身を起こした。
くまちゃん
出たぁぁぁぁぁぁぁ!!🐻
心拍数が急上昇し、
鼓動が全身に響き渡る。
炊事場をしっかり見てなかったのでどんな状況かはわからなかったが、
俺のイメージでは、
キャンプ客が放置した残飯を漁りに来てるなう
って状況。
めっちゃ怖いんだよ本当に。
さらに自分の犯した過ちにも気づく。
ゴミ袋の口を閉じてない!
何が入ってたかった?
さんまの蒲焼の缶詰。
もちろんテントの中に置いてあったけど、これは匂いが漂ってる可能性はある。
くまの嗅覚がどんなものかは知らないけど。
これはテント襲撃までも時間の問題かもしれない…(この時はくまがいると確信してる)
目は完全に覚めて、脳はフル回転している。
☆実際のところ知らないけど、一応僕の持ってるくまちゃん情報☆
一、警戒心が強い
→あらかじめ人の存在がわかれば、熊から襲ってくることはない。
一、ハチミツ大好き
→黄色い種に限るかもしれない。
これをふまえてまずするべきことはなんだ!音を出してこちらの存在を伝えることだろ!
なんでもいいから音を出せ!
すぐにiPhoneで音楽を流そうとする。
しかし一瞬指が止まる。
これには自分でもびっくりした。
呑気に選曲してやがる!!!
この状況でもちょっと笑えた。
ちなみに対クマちゃん用BGMは、
好きな人がいること/JY
ジヨンかわいい。
そしてバイクのグローブをはめて、
楽天市場で買ったおもちゃみたいな折りたたみ式のセラミックナイフを取り出す。
逃走用にバイクの鍵もポケットに忍ばせた。
(ブログ用に撮っただけで、アニキに危害は一切加えておりません)
これで戦闘になったとしても多少はやれるかな。
襲われてもすぐ動けるように寝袋からも出た。
冗談抜きでこの時はめちゃくちゃ怖かった。
俺死ぬかもって恐怖をここまで感じたのは人生で一番かも知れない。
足が震えてた。
ちびったとかそんなふざけたことは言わない。
本当に足が震えてた。
実際にその状況に陥ってみないと自分がどんな風になるかわからないね。
熊に遭遇してもまあなんとかなるだろーって思ってたもん今までは。
恐怖と緊張に潰されそうだったけど、それに負けないくらいに心が叫んだ。
生きてぇぇぇぇ!!!(泣)
こんなとこで死にたくない。
テントの外は怖くて出れないから、
音に全神経を集中させた。
ちなみに川が隣を流れてるのは言ったと思うけど、これが結構うるさくて、敵が近寄って来ても気付きづらい。
それでもあの音には気づいたんだぜ?
あのプラ、、、奇妙な音。
もしかしたらもう真横にいて次の瞬間襲ってくる!
って可能性もある。
これもイメージだけど、
クマが爪でテント引き裂くのなんて人間がクモの巣破壊するくらい簡単なことだろうな。
しかしネガティヴ思考になるわけにはいかない。
音だけに集中して敵襲に備えた。
時刻は深夜1時をまわったところだが、まだ敵襲はない。
すると少し遠くの方から別の音が。
かすかにしか聞こえなかったが、これには聞き覚えがある。
熊除けの鈴だ。(こちらの存在を知らせて、遭遇を未然に防ぐための鈴)
そういえば夕方帰った釣りのおじさんも付けてたな。
続いてかすかにエンジン音が聞こえた。
まさか人!?
そのときは早く安心感が欲しくて思わずテントを開けた。
もしこの時熊がいたらアウト。
頭に一撃食らって一発KO。
でも周りに熊はいなかった。
代わりに、推測通り車のライトが見えて、
走り去っていった。
なんだよ人だったのかよってちょっと安心したけど、
夜中の1時だよ。
こんな夜中に釣りってするのかな。わかんないけど。
まあちょっとは安心したんだけど、
それで熊がいないって保証はどこにもないこの現実。
もしかしたらこの後来るかもしれない。
そう思うとやっぱり怖くて呑気に眠れなかった。
神経研ぎ澄ましてたらあっという間に3時になって、さすがに疲れたからやっと横になった。
その頃には
さすがに熊遭遇は無いだろとか、
もう冬眠してんじゃね?(冬眠の時期が確認できればよかったけどここは魔の圏外地帯)
って思って少しは落ち着けた。
けどやっぱり絶対なんてないから、
襲撃時のシミュレーションはした。
この時は本当に武井壮を尊敬したし、
対熊用の戦闘術をレクチャーしてもらいたかった。YouTube観たかったな〜(魔の圏外地帯)
けど熊の姿なんてリアルにはイメージできなかった。
大きさはわかんないし、口だけで戦うのかそれとも前脚も使うのか、一匹なのか群れなのか。
ちなみに熊の顔もピンとこなくて、頭の中ではずっとダッフィーと戦ってた。
サーモグラフィーがあれば敵がいてもわかるんだけどなーって思ったけど、
それで体温のない真っ青な人影見えたらそれはそれでゲームオーバー。戦いようがない。
何通りもの戦の末に辿り着いた答えは、
あの立派なトイレに逃げ込むこと。
あそこまで逃げれたらさすがに死ぬことはないなと。
そしてタイミングを見計らってバイクで逃げるか、朝まで釣り人が来るのを待つ。
そこまで考えて、さすがにもう寝ようと思った。ここが4:30。もう朝だね。
7時までは眠った。ナイフを握ったまま。
無事に朝を迎えることができた。
釣り人の車が止まってる。
生きてるぅぅぅぅ(泣)
自分の妄想と戦い続けた夜であった。
ノンフィクションです。
完